モテるとはこんなに悲しいことだとは思わなかった。
私はモテなかった。
どうしようもなくモテなかった。
何回も告白をして、何回もフラれた。
惨めな気持ちと同時に、自らの無能を呪った。
しばらくして、フラれそうな人には告白しないという技を身につけた。
我ながら卑怯だと思う。
そうすると何人かと付き合えた。しかし長続きはしなかった。
最近また状況が少し変わった。
何故かモテるようになったのだ。
私は何も変わっていない。表面を取り繕うすべを身につけただけだった。
変わったのは、周囲の女性の価値が暴落しているだけだった。
要は年をとったというだけだった。
同世代の女性が年をとる一方、年下の女性は
単に年上だということで、好意を持っているようだった。
同世代女性の叫びにならない叫びを聞きながら、
よってくる頭の軽い女を、心の底でバカにしながら、
自らの無能を呪った。